整形外科の土曜日の診療は12時30分まで。
医療事務は診療時間が済むとその日の患者数やお金の計算をして、医院長に渡します。受付の片付けをして、着替えて一日が終了。
そうしてある土曜日、仕事を終え帰り道にスーパーへ買い物に行きました。
そこで、医療事務の学校で一緒に講座を受けていた〇〇さんに偶然会ったのです。
彼女は講座を受けたものの、試験に落ちてしまい、一緒に医療事務の資格を取得することは出来ませんでした。
その後私は医療事務の学校に行くことはありませんでしたし、彼女のことは同じクラスの受講生と言うくらいにしか知らなかったので、彼女がその後どうなったのか、知らないままでした。
そんな彼女にスーパーで再会したのですからお互いびっくり!
彼女はソフトクリームを食べているところでしたが、私に近づいてきて話を始めました。
彼女の話では、医療事務の講座を受けている時に医療事務の求人を見つけて産婦人科に就職が決まっていたそうです。
面接を受けた時『今は医療事務の学校に行っているところで、もうすぐ資格を取りますから・・・。』と言うことで、産婦人科の医療事務として採用が決まっていたそうなんですが、なんと試験に落ちてしまい医療事務の資格が取れなかったので、産婦人科での採用も取り消しになってしまったそうです。
医療事務の資格はどうなったかと言うと、補習と再試験で医療事務の資格は取れたと言っていました。
そして就職活動中だと言っていました。
その時私は『そうなんだぁ~・・・。』と言う言葉しか出てきませんでしたが、とりあえず医療事務の資格は取れたということで安心しました。
でもせっかく決まっていた産婦人科での採用が取り消しになってしまったのですから、彼女にとっては大問題だったでしょうね・・・。
医療事務と患者さん
医療事務の学校や講座、資格を取るまでの話や、医療事務の働き方や月給の話などなど書いてきましたが、今日は患者さんとのエピソードも書いてみようと思います。
私が医療事務として再就職したのは整形外科です。それも、何十年もずっとそこで開業している。
医院長は70歳くらいで昔ながらの医者といった感じで厳しい人でした。
建物も古くてトイレや壁紙などいろんなところで古さを感じるものでした。
そんな整形外科に患者さんとしてやってくるのは、ご近所のお年寄りの方々がほとんど。
その息子さんや娘さんも患者さん、そのまた子供も患者さんというような、ご近所の方々には馴染みの整形外科でした。
医院長は総合病院に居た頃から腕がよく、当時の患者さんが遠方からも診察に来る事もありました。
患者さんの大半はお年寄りですから、皆さん耳が遠い。視力も悪い。足腰も弱い。必然的に医療事務の私達も声が大きくなります。字が読みにくい方に代わって読んであげたり、代筆したり。歩くのが困難な場合は調剤薬局に代わりに薬を取りに行ったり、抱えてタクシーに乗せてあげたり・・・。看護師の皆さんが忙しい時は患者さんへのフォローも手伝っていました。
時にはおじいちゃん患者さんの下ネタにも苦笑いでお付き合い・・・。
おばあちゃん患者さんの話し相手にもなりました。
こんな事は医療事務の講座では教えてくれないことですが、医療事務として働くには知識よりも大切なことでした。
時には恐い患者さんも来ました。とにかく怒っているのだけれど、どう聞いても八つ当たりだったり。退職はしたけど、保険証がなくなるのは困るので退職者の保険証に代えてくれ!!と病院ではどうしようも出来ないことを怒って言って来る人など。理不尽なことを言われて、しょうがなく平謝りということもありました。
医院長と患者さんの間に挟まれ困ることもしばしば・・・。
医療事務が間に入ることで円滑に行くこともありますから、やりがいのあるお仕事なのでしょうね!
実際患者さんから感謝の言葉を頂くことも度々ありましたしね!
医療事務の面接時に言われた『人と接することも大切に・・・。』と言う医院長の言葉が今でも忘れられずしっかりと記憶にあるのは、実感できる出来事が沢山あったからだと思います。
そうして医療事務の資格をいかして働いていたある日、医療事務の試験に落ちた〇〇さんに近所のスーパーで再会するのでした。